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育休中の社会保険料免除|月またぎで得する理由を数字で解説

育休中の社会保険料免除|月をまたいだほうがお得な理由を数字で解説

育休中の社会保険料免除は「月をまたぐ」とお得!具体的な数字で仕組みを解説

FP3級 育休・社会保険 節税・節約

「育休は月またぎで取得したほうが得」という話を聞いたことはありますか?育休中は社会保険料が免除されますが、開始日・終了日のタイミングによって免除される月数が変わります。この記事では免除の仕組みを整理したうえで、月またぎで取得した場合と同月内に終了した場合の差額を具体的な数字で比較します。

📋 今回の記事のポイント
  • 育休中は健康保険・厚生年金・介護保険料がすべて免除(本人・会社負担分ともに)
  • 免除の単位は「月」。育休が1日でも含まれる月は丸ごと免除される
  • 月末をまたいで育休を取ると、開始月・終了月の両方が免除対象になる
  • 同じ1日の育休でも月末取得なら2ヶ月分免除・月初取得なら1ヶ月分免除
  • 月収30万円の場合、月またぎで約4.5万円の差が出る

育休中の社会保険料免除とは

育児休業中は、健康保険・厚生年金保険・介護保険(40歳以上)の保険料が免除されます。免除されるのは本人負担分だけでなく会社(事業主)負担分もすべてゼロになります。手続きは事業主(会社・共済組合)が年金事務所に申請します。

📌 社会保険料が免除されても、健康保険の給付(医療費3割負担など)や年金の加入期間は通常どおりカウントされます。免除=損ではなく、完全なメリットです。

免除の「月」の考え方

社会保険料の免除は月単位で行われます。育休開始日が含まれる月から、終了日の翌日が含まれる月の前月まで免除されます。

重要なのは、その月に育休が1日でも含まれていれば、その月の保険料は丸ごと免除されるという点です。これが「月またぎ」がお得になる理由です。

免除される月の範囲
免除開始:育休開始日が含まれる月
免除終了:育休終了日の翌日が含まれる月の前月

例)5月15日開始・7月14日終了 → 5月・6月の2ヶ月分免除
例)5月15日開始・7月15日終了(月またぎ)→ 5月・6月・7月の3ヶ月分免除

月またぎ vs 同月終了:具体的な比較

月収30万円(標準報酬月額30万円)、40歳未満の会社員を例に試算します。

標準報酬月額30万円の場合の社会保険料(本人負担分の目安):健康保険料 約14,850円+厚生年金保険料 約27,450円=合計 約42,300円/月(協会けんぽ・東京都・2025年度目安)

ケース①:月内で育休が完結する場合(損なパターン)

5月10日開始 → 5月31日終了(同月内・22日間)

育休の開始と終了が同じ月(5月)に収まっています。この場合、5月は免除対象になりますが、終了日の翌日(6月1日)が含まれる月(6月)の前月、つまり5月までしか免除されません。

免除されるのは5月の1ヶ月分のみです。

ケース①の免除額(月収30万円・40歳未満)
免除月数:1ヶ月
本人負担分免除額:約42,300円 × 1ヶ月 = 約42,300円
会社負担分免除額:約42,300円 × 1ヶ月 = 約42,300円
合計免除額(本人+会社):約84,600円

ケース②:月をまたいで育休を取る場合(お得なパターン)

5月10日開始 → 6月1日終了(月またぎ・23日間)

終了日が6月1日なので、終了日の翌日(6月2日)が含まれる月は6月。その前月は5月まで……ではなく、開始月の5月から終了翌日の前月(6月の前月=5月)……

正確には、育休終了日の翌日(6月2日)が属する月(6月)の前月(5月)まで免除――ではなく、終了月自体が免除対象かどうかは「その月の末日に育休中かどうか」で判断します。6月1日まで育休なら6月末日は育休中でないため6月は免除対象外です。

したがって免除されるのは5月・6月の2ヶ月分です。ケース①と比べてたった1日の違いで1ヶ月分多く免除されます。

ケース②の免除額(月収30万円・40歳未満)
免除月数:2ヶ月
本人負担分免除額:約42,300円 × 2ヶ月 = 約84,600円
会社負担分免除額:約42,300円 × 2ヶ月 = 約84,600円
合計免除額(本人+会社):約169,200円

ケース①と②の差額まとめ

項目 ケース①(同月内) ケース②(月またぎ)
育休期間 5/10〜5/31(22日) 5/10〜6/1(23日)
免除される月数 1ヶ月 2ヶ月
本人負担免除額 約42,300円 約84,600円
会社負担免除額 約42,300円 約84,600円
合計免除額 約84,600円 約169,200円
差額(本人分のみ) たった1日の差で約42,300円もお得

月末1日だけ育休を取ると丸ごと1ヶ月免除になる

さらに極端な例を見てみましょう。月末の1日だけ育休を取得した場合でも、その月の保険料は丸ごと1ヶ月分免除されます。

5月31日のみ育休(1日)→ 6月1日復帰

5月31日に育休開始・6月1日に終了(復帰)した場合、育休が含まれるのは5月のみ。5月の保険料は1日の育休だけで約42,300円が丸ごと免除されます。

これが「月末に育休を開始するとお得」と言われる理由です。

📌 月末1日の育休で1ヶ月分丸ごと免除。月初1日の育休でも1ヶ月分免除ですが、月末に取得すると「前後の月をまたぐ」ことで2ヶ月分免除にできる可能性があります。

賞与月の月またぎも要チェック

実は月またぎが効果を発揮するのは月次の保険料だけではありません。賞与にかかる社会保険料も、賞与支給月に育休中であれば免除されます。

賞与月をまたいで育休を取ると賞与の保険料も免除

たとえば冬のボーナスが12月に支給される場合、12月中に育休取得中であれば賞与の社会保険料も免除されます。賞与50万円に対する社会保険料(本人負担分)は約9万円以上になるため、インパクトは非常に大きいです。

賞与の社会保険料免除額の目安(賞与50万円・40歳未満)
健康保険料(本人分):50万円 × 4.95% = 約24,750円
厚生年金保険料(本人分):50万円 × 9.15% = 約45,750円
─────────────────────
本人負担分合計:約70,500円が免除
会社負担分も同額免除 → 合計約141,000円免除

⚠️ 2022年10月の法改正で、賞与月の免除には条件が加わりました。賞与支給月の末日を含む1ヶ月以内に育休が終了する場合は免除対象外となります。たとえば12月25日に賞与が出て、12月27日〜12月31日だけ育休を取っても12月の賞与保険料は免除されません。月をまたいで翌月以降も育休が続く場合のみ免除対象です。

月またぎ取得の注意点

  • 育休終了日の設定は慎重に。1日のズレで免除月数が変わる
  • 賞与月の免除は2022年10月改正後のルールを確認すること
  • 公務員(共済組合)も基本的に同じ仕組みで掛金が免除される
  • 免除申請は事業主(総務・人事)が行うため、取得予定を早めに伝えることが重要
  • 住民税は免除されないため、育休中も前年分の住民税の支払いが発生する

月収別の免除額シミュレーション(1ヶ月あたり)

月収(標準報酬月額) 本人負担免除額/月 会社負担免除額/月 合計免除額/月
20万円 約28,200円 約28,200円 約56,400円
30万円 約42,300円 約42,300円 約84,600円
40万円 約56,400円 約56,400円 約112,800円
50万円 約70,500円 約70,500円 約141,000円
上記は協会けんぽ・東京都・40歳未満・2025年度の保険料率を目安に試算しています。健康保険組合・共済組合の場合は保険料率が異なります。

おわりに

育休中の社会保険料免除は「月をまたぐかどうか」のたった1日の差で数万円単位の違いが生まれます。育休開始日・終了日を設定する際には、月またぎになるよう意識するだけで家計に大きなプラスになります。特に賞与月の扱いは2022年10月の法改正後のルールをしっかり確認したうえで、人事・総務担当者と早めに相談しておきましょう。

※本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。保険料率は年度・地域・加入保険によって異なります。実際の免除額は勤務先・共済組合にご確認ください。

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