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失業手当と傷病手当金の違い|条件・金額・期間を徹底比較

失業手当と傷病手当金の違い|受給条件・金額・期間を徹底比較

失業手当と傷病手当金の違い|財源・受給条件・金額・期間をFP3級知識で徹底比較

FP3級 雇用保険・健康保険 社会保険

「仕事を辞めたあとにもらえるお金は失業手当?傷病手当金?」――名前が似ているうえに混同されがちな2つの給付ですが、財源・目的・受給条件はまったく異なります。この記事では両者の違いを表で整理したうえで、給付額の計算方法・受給期間・公務員への適用有無まで具体的に解説します。

📋 今回の記事のポイント
  • 失業手当(基本手当)は雇用保険から。傷病手当金は健康保険・共済組合から
  • 失業手当は「働ける状態なのに仕事がない」場合が対象
  • 傷病手当金は「病気・けがで働けない」場合が対象
  • 公務員は失業手当の対象外。傷病手当金は共済組合から支給される
  • 自営業者・フリーランスは両方とも原則対象外
  • 退職後も一定条件を満たせば傷病手当金を継続受給できる

まず結論:2つの給付の根本的な違い

項目 失業手当(基本手当) 傷病手当金
財源 雇用保険 健康保険・共済組合
目的 失業中の生活保障・再就職支援 病気・けがで働けない間の所得補償
対象となる状況 働ける状態だが仕事がない 病気・けがで働けない状態
給付額 賃金日額の45〜80% 標準報酬日額の3分の2
最大給付期間 90〜330日 通算1年6ヶ月
公務員への適用 ✕(退職手当制度) ◯(共済組合から支給)
自営業者 ✕(国保には傷病手当金なし)
待期期間 7日間(自己都合は+2ヶ月給付制限) 3日間(連続3日間の待期が必要)

失業手当(基本手当)の仕組み

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失業手当とは

正式名称は「基本手当」。雇用保険から支給される、失業中の生活保障を目的とした給付です。「失業保険」とも呼ばれますが、保険の正式名称は雇用保険です。ハローワークに求職申込みをして、積極的に就職活動していることが受給の前提条件となります。

失業手当の受給条件

  • 雇用保険の被保険者であること(原則、離職前2年間に12ヶ月以上の加入)
  • 働く意思と能力があること(病気・けがで働けない状態は対象外)
  • 積極的に求職活動をしていること
  • ハローワークに離職票を提出し、求職申込みをしていること

⚠️ 病気・けがで働けない状態では失業手当は受給できません。そのような状態で離職した場合は、受給期間の延長申請(最大4年)をしたうえで、回復後に改めて受給手続きをする必要があります。

失業手当の給付額と期間

基本手当日額の計算式
賃金日額 = 離職前6ヶ月の賃金合計 ÷ 180
基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(45〜80%)

※賃金日額が低いほど給付率が高い(低所得者優遇)
※上限額あり(年齢によって異なる・2025年度目安)
 30歳未満:6,945円 45〜60歳未満:8,355円

給付日数は離職理由・年齢・被保険者期間の3つで決まります。

離職理由 被保険者期間 給付日数
自己都合退職 1年以上5年未満 90日
自己都合退職 10年以上20年未満 120日
自己都合退職 20年以上 150日
会社都合退職(特定受給資格者) 1年以上5年未満・45歳未満 180日
会社都合退職(特定受給資格者) 20年以上・45歳以上60歳未満 330日
自己都合退職の場合、7日間の待期期間に加えて2ヶ月の給付制限があります(5年以内に2回以上の自己都合離職は3ヶ月)。会社都合・特定理由離職者は給付制限なしで7日後から受給開始です。

傷病手当金の仕組み

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傷病手当金とは

病気やけがで働けなくなった場合に、健康保険(会社員)または共済組合(公務員)から支給される給付です。在職中・退職後を問わず受給できる場合があります。失業手当と異なり「働けない状態」であることが条件で、就職活動は必要ありません。

傷病手当金の受給条件

  • 健康保険または共済組合の被保険者であること
  • 業務外の病気・けがで療養中であること(業務上は労災保険が適用)
  • 働くことができない状態であること(医師の意見書が必要)
  • 連続3日間の待期期間を経過していること(4日目から支給)
  • 給与の支払いがないこと(給与が支払われている場合は差額支給)

📌 傷病手当金は「業務外」の病気・けがが対象です。業務中・通勤中のけがには労災保険が適用されます。両方を同時に受給することはできません。

傷病手当金の給付額と期間

傷病手当金の1日あたりの給付額
支給日額 = 標準報酬月額 ÷ 30日 × 3分の2

例)標準報酬月額30万円の場合:
300,000円 ÷ 30 × 2/3 = 6,667円/日

例)標準報酬月額40万円の場合:
400,000円 ÷ 30 × 2/3 = 8,889円/日

給付期間は支給開始日から通算1年6ヶ月です(2022年1月改正で「通算」に変更)。

2022年1月の改正前は「支給開始から1年6ヶ月」でしたが、改正後は「通算1年6ヶ月」に変更されました。途中で就労できた期間があっても、その分は1年6ヶ月のカウントに含まれないため、実質的に受給期間が延びる可能性があります。

退職後も傷病手当金を受給できる条件

在職中に受給を開始していた傷病手当金は、退職後も一定条件を満たせば継続して受給できます。

  • 資格喪失(退職)時に傷病手当金を受給中または受給できる状態にあること
  • 退職日に出勤していないこと(退職日に働くと継続給付の条件が崩れる)
  • 健康保険の被保険者期間が退職時点で継続1年以上あること

⚠️ 退職日当日に出勤してしまうと、退職後の傷病手当金継続給付の条件を満たせなくなります。有給消化中や療養中の退職では退職日の扱いに注意が必要です。

公務員の場合

給付の種類 公務員への適用 根拠制度
失業手当(基本手当) 対象外 退職手当制度が代替
傷病手当金 対象(共済組合から支給) 国家・地方公務員共済組合法
公務員の傷病手当金(共済組合)の給付額・期間は健康保険とほぼ同水準です。ただし共済組合ごとに細部の条件が異なる場合があります。所属する共済組合に確認しましょう。

自営業者・フリーランスの場合

⚠️ 自営業者・フリーランスは国民健康保険に加入していますが、国民健康保険には傷病手当金がありません(一部自治体の独自給付を除く)。また雇用保険にも加入していないため失業手当も受け取れません。所得補償保険(民間)やiDeCo・新NISAなどで自衛することが重要です。

病気で退職した場合、どちらを受給する?

「病気が原因で退職した」という状況では、失業手当と傷病手当金のどちらを受給すべきか迷いやすいです。状況によって使い分けが重要です。

退職後も働けない状態が続く場合

在職中に傷病手当金の受給を開始していれば、退職後も継続給付が可能です(条件あり)。失業手当は「働ける状態」が前提なので、体調回復後に受給期間延長申請をして改めて受給します。

退職後すぐに働ける状態の場合

傷病手当金は「働けない状態」が条件のため受給不可。失業手当の受給手続きをハローワークで行います。自己都合退職の場合は2ヶ月の給付制限があります。

📌 傷病手当金と失業手当は同時に受給できません。傷病手当金の受給中は失業手当の受給期間を延長し、回復後に切り替えるのが基本の流れです。

給付額の具体例比較(月収30万円の場合)

項目 失業手当 傷病手当金
月収30万円の場合の1日あたり給付額 約5,000〜6,000円 約6,667円
月あたりの給付額(30日換算) 約15〜18万円 約20万円
最大受給期間 最大330日 通算1年6ヶ月
待期期間 7日+給付制限(自己都合2ヶ月) 3日間のみ

おわりに

失業手当は「働けるのに仕事がない」、傷病手当金は「病気・けがで働けない」という状況の違いが最大のポイントです。どちらも受給できないのが自営業者・フリーランスであり、会社員・公務員との社会保険の差が最もはっきり出る部分でもあります。退職のタイミングや体調の状態によって最適な受給の流れが変わるため、事前に仕組みを理解しておくことが大切です。

※本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。法改正等により内容が変わる場合があります。

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