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共済年金が廃止されて公務員はどうなった?メリット・デメリットをわかりやすく解説
「共済年金が廃止されたって聞いたけど、公務員の年金はどうなったの?」――共済年金は2015年10月に厚生年金へ一元化されました。この記事では廃止によって公務員にとって何が変わったのか、メリット・デメリットを含めて現役公務員・FP3級保有者がわかりやすく解説します。
- 共済年金は2015年10月に廃止・厚生年金に一元化された
- 廃止により公務員の保険料率が民間と統一されメリットもあった
- 「職域加算」が廃止され「年金払い退職給付」に変わったのがデメリット
- 公務員の年金は現在「老齢基礎年金+退職等共済年金+年金払い退職給付」の3階建て
- iDeCo上限が2026年12月に月5.4万円へ拡大予定・老後対策に活用すべき
共済年金の廃止で公務員はどうなった?結論から言う
結論からいうと、共済年金の廃止は公務員にとって「メリットもあるが、年金額は実質的に下がった」変化だった。
▶ 保険料率が民間会社員と統一(18.3%)され、一部の共済組合では負担が下がった
▶ 年金制度が一本化され、転職時の手続きがシンプルになった
▶ 民間企業への転職・再就職時に年金記録が途切れにくくなった
▶ 共済年金独自の上乗せ部分「職域加算」が廃止された
▶ 代わりに創設された「年金払い退職給付」は職域加算より受取額が少ない場合がある
▶ 2015年10月以降に公務員になった人は職域加算の恩恵をまったく受けられない
📌 筆者(公立病院勤務・20代)は2015年以降に就職しているため職域加算の対象外。その分、iDeCoや新NISAで自分で老後資金を作る必要があると実感している。
そもそも共済年金とは何だったか
共済年金とは、公務員・私学教職員・農林漁業団体職員が加入していた公的年金制度だ。国家公務員共済組合・地方公務員共済組合・私学共済などの共済組合が運営していた。
民間会社員が加入する「厚生年金保険」と並立する制度だったが、2015年10月の被用者年金一元化によって厚生年金に統一された。現在、公務員も制度上は「厚生年金の被保険者」だ。
一元化前後の年金構造の変化
| 項目 | 一元化前(〜2015年9月) | 一元化後(2015年10月〜) |
|---|---|---|
| 1階部分 | 老齢基礎年金(国民年金) | 老齢基礎年金(国民年金) |
| 2階部分 | 退職共済年金(共済年金) | 退職等共済年金(厚生年金) |
| 3階部分 | 職域加算(廃止) | 年金払い退職給付(新設) |
| 保険料率 | 共済組合ごとに設定 | 厚生年金と同率(18.3%・労使折半) |
| 運営 | 各共済組合 | 日本年金機構(厚生年金部分) |
職域加算の廃止が公務員に与えた影響
一元化で一番影響が大きかったのが「職域加算の廃止」だ。
職域加算とは、共済年金独自の3階部分で、厚生年金に上乗せして受け取れる公務員特有の給付だった。在職期間に応じて支給され、長く勤めるほど受取額が増える仕組みだった。
これが2015年10月に廃止され、代わりに「年金払い退職給付」が創設された。ただし年金払い退職給付は職域加算と比べて受取額が少なくなるケースがある。
⚠️ 2015年9月以前から公務員だった人は、2015年9月までの期間分の職域加算は引き続き受け取れる。2015年10月以降に就職した公務員は職域加算ゼロ。
現在の公務員年金の3階建て構造
20歳〜60歳の40年間すべて納付した場合、満額で年間約78万円(2025年度)を受給できる。公務員も会社員も自営業者も同じ制度だ。
一元化後は厚生年金として一本化されたが、公務員分は引き続き共済組合が記録管理を担う。受給額は在職中の標準報酬月額と加入期間によって決まる。
職域加算の廃止と同時に創設された公務員独自の上乗せ制度。退職一時金の一部を年金として受け取れる仕組みで、有期年金と終身年金の2種類がある。保険料は公務員と国・地方自治体が折半する。
📌 「職域加算→年金払い退職給付」への変更はFP試験の頻出ポイント。廃止された旧制度と新設された制度の名称を混同しないよう注意しよう。
共済組合の種類と主な対象者
| 共済組合名 | 主な対象者 | 医療保険 |
|---|---|---|
| 国家公務員共済組合 | 各省庁・国の機関に勤務する職員 | 国家公務員共済組合(KKR) |
| 地方公務員共済組合 | 都道府県・市区町村・公立病院勤務者など | 地方公務員共済組合 |
| 私学共済 | 私立学校・私立大学の教職員 | 私学共済 |
厚生年金との保険料率(一元化後)
一元化後、公務員の厚生年金保険料率は民間会社員と同じ18.3%(労使折半で各9.15%)に統一された。ただし地方公務員の場合、共済組合独自の短期給付(医療保険)や福祉事業のための掛金が別途発生する。
+ 共済組合掛金(短期・医療保険分)
+ 介護保険料(40歳以上)
+ 年金払い退職給付掛金
職域加算廃止を補う方法|公務員の老後対策
職域加算がなくなった分、自分で老後資金を積み上げる必要がある。公務員が使える手段はこれだ。
- iDeCo(個人型確定拠出年金):2026年12月改正後は月5.4万円まで拠出可能(現在は月2万円)。掛金が全額所得控除になる節税効果も大きい
- 新NISA:年間360万円・生涯1800万円まで非課税で運用できる。iDeCoと並行活用がおすすめ
- 年金払い退職給付:強制加入の公務員独自の3階部分。自動的に積み立てられる
⚠️ 公務員は企業型DCに加入できないため、iDeCoが主な老後積み立て手段だ。2026年12月の上限引き上げ(月5.4万円)は必ずチェックしておこう。
おわりに
共済年金の廃止は公務員にとって「制度がシンプルになった」メリットと「職域加算がなくなった」デメリットの両面があった。特に2015年10月以降に就職した公務員は職域加算をまったく受けられないため、iDeCoや新NISAを使って自分で老後資金を作ることが重要だ。
公務員だからといって老後は安心とは言えない時代になっている。制度の変化を正しく理解した上で、早めに資産形成を始めよう。
※本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。法改正等により内容が変わる場合があります。