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所得控除と税額控除の違いとは?具体例でわかりやすく解説

所得控除と税額控除は何が違う?節税効果を具体例で徹底解説

FP3級 税金 節税

「所得控除」と「税額控除」、どちらも聞いたことはあるけど違いがよくわからない……という方は多いのではないでしょうか。FP3級の学習でもよく出てくるこの2つ、実は税金が減る「タイミング」がまったく異なります。この記事では具体的な数字を使って、それぞれの仕組みと節税効果の差をわかりやすく解説します。

📋 今回の記事のポイント
  • 所得控除は「課税所得」を減らす → 税率をかける前の金額が下がる
  • 税額控除は「税額そのもの」を直接減らす → 1円が1円分の節税になる
  • 同じ控除額なら、税額控除の方が節税効果は大きい
  • ふるさと納税は所得控除+税額控除の両方が機能するハイブリッド型

① まず「税金の計算の流れ」を理解しよう

所得控除と税額控除の違いを理解するには、所得税の計算の流れを頭に入れることが先決です。

所得税の計算フロー
収入(給与・事業収入など)
ー 必要経費・給与所得控除
= 所得金額
所得控除(←ここで引く)
= 課税所得金額
× 税率(5〜45%の累進課税)
= 税額(仮)
税額控除(←ここで引く)
= 最終的な納税額

所得控除は「税率をかける前の所得を減らす」税額控除は「税率をかけた後の税額そのものを減らす」この違いが節税効果に直結します。

② 所得控除とは?

所得控除は、課税の対象となる所得金額を減らすための控除です。控除された金額に税率をかけた分だけ税金が安くなります。

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主な所得控除の種類

基礎控除(48万円)・配偶者控除・扶養控除・社会保険料控除・生命保険料控除・医療費控除・iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)などがあります。

公務員に身近なところでは、毎月の共済掛金が「社会保険料控除」として全額所得から引けます。

2
具体例:医療費控除10万円の場合

課税所得が300万円(税率10%)の人が医療費控除10万円を申請した場合:

課税所得 300万円 → 290万円(10万円減少)
節税額 = 10万円 × 10% = 1万円の節税

所得控除は、適用される税率が高い人(=高収入な人)ほど節税効果が大きくなります。

③ 税額控除とは?

税額控除は、計算された税額から直接差し引く控除です。控除額がそのまま納税額の減少につながります。

1
主な税額控除の種類

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)・外国税額控除・認定NPO法人への寄付金特別控除などがあります。

これらは控除額が「そのまま税金から引かれる」ため、非常に節税効果が高いです。

2
具体例:住宅ローン控除20万円の場合

課税所得が300万円(税率10%)の人が住宅ローン控除20万円を適用した場合:

算出税額(仮)30万円 → 30万円 − 20万円 = 10万円の節税

税額控除は税率に関係なく、控除額がそのまま節税額になります。1円の税額控除は収入に関係なく必ず1円節税できます。

④ 節税効果の比較:10万円の控除でどれだけ違う?

課税所得400万円(税率20%)の人が「10万円の控除」を受けた場合で比較してみます。

控除の種類 控除の仕組み 節税額
所得控除(10万円)課税所得を10万円減らす10万円 × 20% = 2万円
税額控除(10万円)税額を直接10万円減らす10万円(そのまま)

📌 同じ「10万円の控除」でも、税額控除の方が節税効果は5倍(税率20%の場合)。税額控除は非常に強力な節税手段です。

⑤ ふるさと納税は「どちらに該当する?」

ふるさと納税は、実は所得控除と税額控除の両方が組み合わさった複合型の制度です。

ふるさと納税の控除の内訳(確定申告の場合)
① 所得控除(所得税):寄付金額 − 2,000円 を所得から控除
② 税額控除(住民税・基本分):寄付金額 − 2,000円 × 10%
③ 税額控除(住民税・特例分):上限内で残りの全額を住民税から控除

実質負担2,000円になる仕組みは、この3つの控除がセットになっているためです。ワンストップ特例制度を使えば①②が③に一本化されます。

各控除の限度額(確定申告ケース)
① 所得控除(所得税)の上限
 → 総所得金額等の40%が上限
 → 例)課税所得400万円 × 40% = 最大160万円まで控除対象

② 税額控除(住民税・基本分)の上限
 → 住民税の所得割額の10%が上限

③ 税額控除(住民税・特例分)の上限
 → 住民税の所得割額の10%が上限
 → ②+③の合計で住民税所得割の20%が特例分の実質上限

★ 実務上の「ふるさと納税上限額」は③の上限で決まる
 (①②で取りきれない分を③で補填する仕組みのため)
年収(目安・独身/共働き) ふるさと納税の上限額目安
300万円約28,000円
400万円約42,000円
500万円約61,000円
600万円約77,000円
700万円約108,000円

⚠️ 上限額を超えた分は控除されず、自己負担になります。住宅ローン控除やiDeCoを利用している場合は所得税からの控除余地が減るため、上限額が下がることがあります。各ふるさと納税サイトのシミュレーターで毎年確認する習慣をつけましょう。

ワンストップ特例の場合、控除はすべて住民税の税額控除として処理されます。確定申告の場合は所得税の所得控除+住民税の税額控除という分け方になります。

⑥ 主な控除の一覧と分類

控除名 種別 代表的な対象者
基礎控除(48万円)所得控除全員
社会保険料控除所得控除会社員・公務員
生命保険料控除所得控除生命保険加入者
医療費控除所得控除年10万円超の医療費
iDeCo掛金控除所得控除iDeCo加入者
扶養控除所得控除扶養家族がいる人
住宅ローン控除税額控除住宅ローン利用者
外国税額控除税額控除米国株などの配当受取者
寄付金特別控除税額控除認定NPOへの寄付者

⑦ 公務員が特に意識したい控除

副業が原則禁止の公務員にとって、節税できる機会は限られています。だからこそ使える控除を最大限活用することが重要です。

  • iDeCo(小規模企業共済等掛金控除):掛金全額が所得控除。2026年12月改正で上限が大幅増加予定
  • ふるさと納税:実質2,000円の負担で返礼品が受け取れる。楽天市場経由でポイントも獲得可能
  • 住宅ローン控除:住宅購入時に最大13年間・年末残高×0.7%が税額控除される
  • 医療費控除:年間10万円超(または総所得の5%超)の医療費が所得控除の対象

📌 これら4つの控除をフル活用するだけで、年間で数万〜数十万円の節税効果が出ることもあります。まずは自分が使えている控除を棚卸しすることから始めてみましょう。

おわりに

所得控除と税額控除の最大の違いは「どのタイミングで税金が減るか」です。所得控除は課税所得を下げることで間接的に税を減らし、税額控除は税額を直接削減します。節税効果の高さでは税額控除が圧倒的ですが、日常的に活用できるのは所得控除の方が多いのが実態です。

この仕組みを理解しておくだけで、確定申告や年末調整の意味がぐっとわかりやすくなります。FP3級の学習をしている方はぜひ計算フローとセットで覚えてみてください。

※本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。税制は変更される可能性があります。詳細は国税庁ウェブサイトまたは税務署にご確認ください。

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