節税

第4回-節税:年末調整編

年末調整で取り戻せるお金がある。公務員が使える節税制度【年末調整編】

FP3級知識 節税・節約 年末調整

毎年11月になると職場に届く年末調整の書類。「よくわからないままとりあえず出している」という方は多いと思います。でも実は、書き方ひとつで年間数万円の差が生まれることもある、大切な手続きです。

FP3級の勉強を始めてから、年末調整で申告できる控除の種類と仕組みをきちんと理解しました。今回は「年末調整でできる節税」に絞って、公務員目線でわかりやすく解説します。

確定申告が必要な制度(ふるさと納税住宅ローン控除など)は別の記事で詳しく紹介します。

所得控除と税額控除の違い:
「所得控除」は課税対象の所得を減らす仕組みで、税金の節約額は所得税率によって変わります。「税額控除」は税金そのものを直接減らす仕組みで、効果が大きい点が特徴です。今回の年末調整でできる控除はすべて所得控除です。FP3級でも必ず出る区別です。

① 生命保険料控除 優先度A

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生命保険料控除
— 証明書を出すだけ。忘れると純粋に損
手続き難易度
★☆☆ 簡単
節税効果
数千〜1万円前後
手続き方法
年末調整

生命保険・医療保険・個人年金保険の保険料を支払っている場合、一定額が所得から控除されます。控除は3つの区分に分かれており、各区分ごとに最大4万円、合計で最大12万円が控除対象です。

  • 一般生命保険料控除:死亡保険・養老保険など(最大4万円)
  • 介護医療保険料控除:医療保険・がん保険・介護保険など(最大4万円)
  • 個人年金保険料控除:税制適格の個人年金保険(最大4万円)

毎年10〜11月頃に保険会社から「控除証明書」が郵送されます。これを年末調整の書類に添付して提出するだけで手続きは完了です。

「証明書が届いたのに出し忘れた」という場合でも、5年以内なら確定申告で遡って申請できます。過去の分を取り戻せる可能性があるので確認してみてください。


② 地震保険料控除 優先度B

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地震保険料控除
— 賃貸でも対象になる場合がある
手続き難易度
★☆☆ 簡単
節税効果
数百〜数千円
手続き方法
年末調整

居住用の家屋や家財に対してかけている地震保険の保険料が、最大5万円まで所得控除の対象になります。持ち家だけでなく、賃貸でも火災保険に地震保険を付帯していれば対象です。

節税効果は他の控除と比べると小さめですが、証明書を年末調整に添付するだけで完結します。やらない理由がない項目です。


③ 扶養控除・配偶者控除 優先度A

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扶養控除・配偶者控除
— 家族構成が変わったら必ず見直す
手続き難易度
★★☆ 普通
節税効果
年数万円〜
手続き方法
年末調整

配偶者や子ども・親など、生計を一にしている家族がいる場合、その人数・関係に応じて所得控除を受けられます。控除額は関係性によって異なります。

  • 一般扶養控除(16〜18歳):38万円
  • 特定扶養控除(19〜22歳):63万円
  • 配偶者控除:最大38万円(配偶者の年収が103万円以下)
  • 配偶者特別控除:配偶者の年収が103〜201万円の場合も段階的に控除あり

「結婚した」「子どもが生まれた」「親と同居して生活費を負担している」などのタイミングで必ず年末調整の内容を見直しましょう。地方公務員は共済組合への届け出も別途必要なケースがあります。

「同居老親等の控除」は特に見落としがち:
70歳以上の親を扶養している場合、同居かどうかで控除額が変わります。同居なら58万円、別居(仕送りあり)なら48万円。FP3級でも頻出の区分です。同居していなくても「生計を一にしている」と認められれば対象になります。

④ 医療費控除 優先度A

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医療費控除
— 家族分を合算して10万円を超えたら確定申告へ
手続き難易度
★★☆ 普通
節税効果
数千〜数万円
手続き方法
確定申告

1年間に支払った医療費が10万円を超えた分(または総所得金額の5%を超えた分)は、所得控除の対象になります。医療費が多かった年に確定申告をすることで、払いすぎた税金が還付されます。

大切なポイントとして、生計を一にしている家族全員分の医療費を合算できます。自分だけでは10万円に届かなくても、配偶者・子ども・同居の親の分をまとめると超えることがあります。領収書は家族分も含めてまとめて保管しておきましょう。

対象になるのは、病院・歯科・薬局での自己負担分と通院交通費(電車・バス)。健康診断・美容目的の医療・栄養ドリンクは対象外です。

公務員は年末調整で大半の手続きが完了しますが、医療費控除だけは確定申告が必要です。「面倒だから」と申告しないまま損をしている方が多い項目です。

セルフメディケーション税制とは?
医療費が10万円に届かない場合でも、市販薬(スイッチOTC医薬品)を年間1.2万円以上購入すれば控除が使えます。医療費控除との併用はできないため、どちらが有利か比較して申告します。FP3級でも出題される知識です。

⑤ iDeCo(個人型確定拠出年金) 優先度S

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iDeCo(個人型確定拠出年金)
— 掛け金が全額所得控除になる
手続き難易度
★★☆ 普通
節税効果
年2〜3万円〜
公務員の上限
月1.2万円

iDeCoは、老後のための積立をしながら掛け金の全額が所得控除になる制度です。運用益も非課税、受け取り時にも控除が適用される三段階の税メリットがあります。「節税しながら老後資金を作れる」一石二鳥の制度です。

公務員が加入できるのは2017年から。すでに共済年金に加入しているため、拠出上限は月1.2万円(年14.4万円)と会社員より少なめです。それでも月1.2万円を積み立てると、年収400万円の場合で年間約2〜3万円の節税効果が見込めます。

iDeCoを始めると、毎年の年末調整で「小規模企業共済等掛金控除」として自動的に申告されます(証明書は運営管理機関から送付されます)。

📌 iDeCoの注意点:60歳まで原則引き出せません。住宅購入・教育費など60歳前に必要になる可能性があるお金は入れないようにしましょう。「iDeCoは老後資金、NISAは中長期の資産形成」と役割を分けて使うのが一般的な考え方です。


おわりに:年末調整は「もらえるお金を申告する場所」

📋 今回の記事のポイント
  • 生命保険料控除(優先A):証明書を年末調整に添付するだけ。最大12万円控除
  • 地震保険料控除(優先B):賃貸でも対象の場合あり。最大5万円控除
  • 扶養控除・配偶者控除(優先A):家族構成が変わるたびに必ず見直す
  • 医療費控除(優先A):家族分を合算して10万円超えたら確定申告で還付
  • iDeCo(優先S):掛け金が全額控除。公務員は月1.2万円まで積み立て可能

年末調整は「書類を出すだけの作業」ではなく、「自分が使える控除を申告してお金を取り戻す場」です。FP3級の勉強をするまで、私はこの認識が薄かったと感じています。

次回はふるさと納税について、仕組み・上限額・手続き方法をわかりやすくまとめて解説します。

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